投資信託といってもたくさんありますので、実際にはじめるときには、どのような基準で選べばいいのかわからず、迷われる方も多いでしょう
実は、投資信託はいくつかのカテゴリーにわかれているのですが、運用方法で分けるとアクティブ型とパッシブ型に大別できます。
そこで今回は、アクティブ型とパッシブ型の投資信託における違いについて解説します。
たくさんある投資信託を理解しておけば、自分にとって適切なものを選ぶことができるでしょう。
この記事の目次
アクティブ型投資信託とは
アクティブのスペルはactiveで、“積極的な”という意味をもっています。
言葉通り、積極的に攻めの投資を行い、ベンチマークを大きく上回る利益を出すタイプの投資信託です。
ベンチマークとは、比較対象とする日経平均株価などの指数です。
メリット
アクティブ型投資信託においては、成長性の高い株などを選りすぐるだけでなく、入念な投資戦略を練っているため、より高い利益を期待できます。
流行のテーマ銘柄や特定の優れた業種などを選ぶことができますよ。
デメリット
実際に投資を行うプロの投資家が、チャート分析、企業分析、業界分析などを入念に行うため、手数料は比較的高くなりますので、手数料負けしないようにしなければなりません。
アクティブ型投資信託はハイリスク・ハイリターンの投資信託です。
リターンなどの投資信託商品の情報や経済状況などを考慮して検討する必要がありますので、このタイプの投資を行うにはある程度の投資経験が必要でしょう。
アクティブ型投資信託の種類
ここでは代表的なものをご紹介します。
バリュー投資
バリューは英語でvalue(価値)です。
簡単に言ってしまえば、割安の株に投資する手法で、企業の業績が良好もしくは将来性があるにもかかわらず、株の価格が安いあるいは一時的に安くなっている株のことです。
割安なのかどうかは、株価収益率などを見て判断します。
株価収益率とは、時価総額と純利益の比率です。
株価収益率が低い株を、割安株と判断することができます。
グロース投資
グロースは英語でgrowth(成長)です。
つまり、業績などが成長している株を見つけ出して投資をする手法です。
過去、現在、未来(将来の予測)の売上や利益を見て、伸びている株を見つけて購入します。
このような分析をファンダメンタル分析と呼びます。
パッシブ型投資信託とは
パッシブとは英語のpassiveで、“受動的な”とか“受け身の”という意味です。
パッシブ型投資信託は、アクティブ型とは異なり、日経平均株価などの指数に連動させるように投資運用が行われるタイプの投資信託です。
指数というのは英語でインデックスとも呼ばれており、パッシブ型投資信託はインデックス投資信託とも呼ばれています。
有名なETFがこのタイプの投資信託に含まれます。
ETFとはexchange traded fundの略で、日本語では上場投資信託と呼ばれています。
ETFは、個別銘柄のように取引時間中に売買可能なので、都合の良いタイミングで購入することができます。
メリット
インデックスなどに連動させるだけなので、手数料は低く、リスクも低いのでアセットアロケーション(分散投資)のポートフォリオ(投資先の金融商品の内訳)によく組み込まれています。
プロの投資家の手腕に左右されないので、戦略を練って検討しなくてもいいというのも一つのメリットです。
月々の積立投資を長期(1年以上)にわたって行っても十分な利益を得ることができますよ。
デメリット
パッシブ型投資信託のデメリットは、アクティブ型投資信託よりもリターンが低い傾向にあることです。
市場が下落すれば同時に投資信託も下落することになります。
パッシブ型投資信託における運用方法
パッシブ型投資信託の運用方法は主に2つあります。
完全法
銘柄構成や銘柄数に関して、完全にインデックスと同じになるようにポートフォリオを組む手法です。
パッシブ型投資信託商品を選ぶ際は、連動性の高いものを選んだ方が良いでしょう。
層化抽出法
業種などのグループから代表的な銘柄を選んで、割合をベンチマークと同じようにする手法です。
完全法で、銘柄数などに関してインデックスと同じにできない場合の代替え手法としても使われますが、保有しない銘柄の株価が予測できない大きな動きを示したときには、連動性が落ちてしまいます。
アクティブ型とパッシブ型どちらがいい?
アクティブ型とパッシブ型の投資信託について解説しましたが、どちらがいいのでしょうか?
自分のポートフォリオや戦略に合わせて検討
ご自身のポートフォリオにおいて、パッシブ型のETFや他のリスクが低い投資商品の割合が大きい場合、比較的リスクが高いアクティブ型を新たにポートフォリオに組み込んでみても良いでしょう。
あるいは、短期の投資で高いリターンを狙うならアクティブ型で、長期投資で確実にリターンを得たいのであればパッシブがおすすめです。
結局は、個々のポートフォリオや投資戦略によって判断するべきです。
パッシブ型はアクティブ型より人気が高くなってきている
2019年2月の米国ブルームバーグの記事によれば、2018年の時点でアメリカのパッシブ型投資信託の運用資産がアクティブ型投資信託のそれを追い抜いたことを報じました。
アメリカのパッシブ型投資信託の運用資産は2005年から右肩上がりで、2018年の時点でついにパッシブ型投資信託より高くなりました。
つまり、多くの投資家がパッシブ型投資信託へ移行してきているということになります。
一方で、運用成績についても両者で差が縮まってきているようです。
これは、有名な投資家ウォーレン・バフェット氏や他の投資家らが、ETFなどのパッシブ型をすすめているのが一つの要因でしょう。
まとめ
アクティブ型とパッシブ型の投資信託について説明しましたが、どちらも一長一短があることをご理解いただけたことでしょう。
一般的には、リスクの低いパッシブ型投資信託を購入した上で、リスクが高めのパッシブ型投資信託にチャレンジしてみるというのが定石です。
ご自分の投資の戦略とポートフォリオを作成し、この記事を参考に、メリットとデメリットを考慮したうえで、アクティブ型とパッシブ型のどちらが自分に適しているのか、検討してみてください。