投資信託には、ブル型とベア型の商品があるのをご存知でしょうか?
一般的な投資信託よりもハイリスクであり、ハイリターンを見込める投資信託といえるでしょう。
ブル・ベア型の特徴を理解すれば、相場が上昇しても下落しても利益を得ることができます。
この記事では、投資信託のブル型とベア型について解説します。
この記事の目次
ブル・ベア型投資信託の投資信託における位置付け
投資のプロに任せて運用を行うのが投資信託です。
投資のプロは株だけでなく債券にも投資を行っています。
基本的に投資信託はリスクが低いといわれていますが、実際にはさまざまな商品があり、運用方法により、パッシブ型とアクティブ型の2つに大きく分けることができます。
パッシブは英語のpassiveの日本語読みで、“受け身の”という意味です。
このタイプは価格を日経平均株価などの指標と連動させるように運用していくため、リスクが把握しやすく運用費用が比較的安く設定されています。
一方で、アクティブはactiveの日本語読みで、“積極的な”という意味です。
日経平均株価などの指標を元に、積極的に大きな利益を狙う運用方法です。
ブル・ベア型投資信託は、アクティブ型運用に分類されており、比較的リスクが高く、運用コストも高くなっています。
ブル・ベア型投資信託とは
ブル・ベア型の投資信託商品は、レバレッジ投資と呼ばれています。
レバレッジとは、自己資本を担保にして資金調達を行い、取引金額を投資金額以上に引き上げることを指しています。
そのため、レバレッジ投資では、より多くの(2~4倍)資金を使って投資を行うことができるので、予測があっていれば大きな利益を得ることができます。
しかし、逆にうまくいかなかったときには、借りたお金を返さなければならず、損失額も大きくなります。
ブル・ベア型の投資信託は、基本的に日経平均株価、債券先物、通貨先物などの株価指数に連動しており、指数よりも価格が高くなるあるいは低くなるように運用されています。
以下で、ブル型とベア型に分けて詳しく説明します。
ブル型投資信託は上昇時に買う
ブルとは英語のbullで、雄牛の意味です。
雄牛が角を突き上げて攻撃をする姿から、投資の世界では上昇相場を意味します。
ブル型とは、日経平均株価などのインデックスが上昇相場のときに、レバレッジをかけて株などを購入して利益をだすタイプの投資信託です。
従って、日経平均株価などにおける上昇相場をチャート分析などにより見極める必要があり、株価が底を打ったときは、ブル型投資信託を購入するチャンスといえます。
ブル型投資信託のメリット
2倍のレバレッジをかけたブル型投資の場合を想定して解説してみましょう。
4日間かけて日経平均株価が5%ずつ上昇していったとすると、4日後の日経平均株価の増加率は22%になるのに対して、ブル型投資の場合は増加率46%と2倍以上になります。
つまり、うまく上昇相場に乗れば、このような大きな利益を得ることができるのです。
ベア型投資信託は下降時に買う
ベアは英語のbearで、クマという意味です。
獲物を捉えるときに爪を上から下に引っかく姿から、投資の世界では下降相場を意味します。
ベア型とは、下降相場のときにレバレッジをかけて高値で株などを買って安値で売り、大きな利益を狙います。
空売り(ショート)とほぼ同じで、日経平均株価などにおける下降相場をチャート分析などにより見極める必要があります。
株価が天井をついたときがベア型投資信託を購入するチャンスです。
チャートを見て株などが上がりそうだと感じたときに、ブル型に切り替えることもできます。
ベア型投資信託のメリット
ブル型投資信託と同様に、2倍のレバレッジをかければ2倍以上の利益を得ることができます。
ただし、ベア型の場合は下降相場を利用して利益をだすため、下降相場においては空売りの手法が使われています。
空売りの手順は次の通りです。
1. 株価が高いときにレバレッジをかけて大量の株を証券会社から借り入れて、売ります。
2. そこで得た資金で、株価が下がったときにその株を再び買います。
3. 株は証券会社に返却され、手元にはそれらの差額が残り、利益となります。
最近の世界経済とりわけ日本経済は下降ぎみなので、ベア型投資信託での利益が比較的得やすい傾向にあるといえるでしょう。
ブル・ベア型投資信託のリスクあるいは注意点
ブル・ベア型投資信託は、大きな利益を期待できるため、魅力的な商品ですが、注意点がいくらかあります。
株初心者にはあまり向いていない
トレンドを分析し、下降相場なのか上昇相場なのか、インデックスの株価チャートを自分自身で見て判断する必要がありますから、ある程度のチャート分析能力は必要です。
加えて、大きな損失を避けるための損切りをできるようになっておく必要がありますので、株初心者にはあまり向いていないでしょう。
しかし、ブル・ベア型の投資信託は個別銘柄を購入して運用するよりもやりやすい上に安定していますので、株価チャート分析技術などを身につけたら、次のステップとしてブル・ベア型投資信託に挑戦してみるのもオススメです。
チャート分析をしても思い通りにならない場合がある
仮にチャート分析によりトレンドを見極めることができるようになったとしても、思い通りにならない場合があるので注意が必要です。
マクロ経済や政治的な要因により予想外のことが起こり得る可能性がありますので、チャート分析で行っているのはあくまでも予測であることを認識しておくべきでしょう。
レンジ相場に注意
株価がある一定の範囲内で上下を繰り返している相場をレンジ相場といい、相場の方向性が定まらない様子をもみあいとも呼びます。
この場合、この状態を抜けたときに上がるのか下がるのかはっきりした予測をすることができないので、この相場で購入するのは控えた方がいいでしょう。
購入した後にこの相場に移行してしまったら、大きな損失を被る可能性が高いので、損切りをした方がいいでしょう。
レンジ相場の状態を抜けたときが購入するチャンスです。
購入手数料が比較的高い
ブル・ベア型投資信託において大きな利益を得るためには、プロの投資家がレバレッジをかけるだけでなく投資戦略を練っています。
従って、通常の投資信託より手数料などが高くなっています。
購入する際は、よく検討して手数料負けしないようにするべきでしょう。
ブル・ベア型投資信託と個別銘柄投資の違い
ブル・ベア型投資信託について説明しましたが、レバレッジをかけた個別銘柄の購入とあまり変わりがないように感じる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、ブル・ベア型投資信託はあくまでも投資信託であり、多数の債券や株に投資が行われているため、銘柄選択の手間を省ける上に比較的変動率は低めです。
また、ブル・ベア型投資信託の場合100円から購入することもできますから、ブル・ベア型投資信託は個別銘柄の購入よりも気軽にはじめられますね。
まとめ
ブル・ベア型投資信託にはリスクが伴いますが、ちゃんとした分析を行えば大きな利益を得る可能性は高いです。
株価が上昇しても下降しても利益を得ることができるので、魅力的な投資信託といえます。
個別銘柄への投資や他の投資信託の購入を行ったことがあるのであれば、この記事を参考に、ブル・ベア型投資信託を検討してみてください。