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配当性向とは何か?高くても投資家にとって有利とは言い切れない理由を解説

配当性向とは何か?高くても投資家にとって有利とは言い切れない理由を解説

株主から見て優れた銘柄かそうでないかを判断するための指標として「配当性向」というものがありますが、これはどんな意味を持った指標なのでしょうか。

とくに配当金を目的として株式を運用する投資家にとっては、配当性向はもっとも重視すべき指標の一つになりますので、その有効性について深く知っておきましょう。

 

この記事では、配当性向に関する基本知識と有益な投資法について詳しく解説します。

 

配当性向についての基本

配当性向は、当期純利益の中から株主に対して支払う配当金を割り出し、どの程度の還元を行っているのかをパーセンテージによって数値化させたものです。

仮に100億円の純利益を出しているA社とB社という二つの企業があったとしても、A社の配当金の合計額が10億円、B社の配当金の合計額は5億円ということもあり得ます。

 

投資家にとってどちらがよいかと言えば、より多くの配当金を還元してくれるA社でしょう。

株主に対して還元する配当金の割合が高い企業を探す際には、この配当性向を使えば理解しやすく、企業を評価するための指標の一つとして扱うことができるのです。

 

配当性向は、1株あたりの配当額÷1株あたりの当期純利益×100で計算できます。

 

配当性向が高いからよいとも限らない

局面的に見れば、投資家にとっては配当性向が高い企業のほうが株主に優しく、信頼できる企業として評価できるように見えます。

確かに、配当性向が高い企業の場合は、今後事業規模を拡大させ、純利益を増やした際に、その分だけ投資家に高い配当金を出す確率が高いと考えることもできるでしょう。

 

しかし、中長期的な視野で見た場合には、必ずしも配当性向が高いからと言ってよいと断言できないことが株式投資の面白いところです。

配当性向が高いと、その分だけ会社に残るお金が少なくなってしまい、新しい事業に回すための資金を用意することが難しくなってしまいます。

 

本来ならば次の事業に向けて投資をすべきところで、予算を配当に使ってしまい投資ができず、成功の機会を失ってしまうことも起こり得るのです。

そうなった場合には会社が損をするだけではなく、将来的には株主の損失にもつながってしまうという悪循環にはまってしまう可能性もあります。

 

配当性向が低くても将来性豊かな企業は多い

配当性向が低い会社は、株主への還元意識が低いケチな企業という印象を持ってしまうかもしれませんが、逆に言えば野心を持った企業である可能性もあります。

配当金として捻出するお金を減らし、余剰金を少しでも新事業に投資して会社が成長すれば、ゆくゆくは株主に大きな利益を与えることができるのです。

 

また、ベンチャー企業のように事業を拡大させている最中の企業の場合、あえて配当性向を低くして会社を大きくさせるという戦略に出ている場合もあります。

つまり、配当性向が低いという理由だけで投資の対象から外してしまうと、株価急騰という株主にとってもっとも利益のあるイベントを逃してしまうこともあるのです。

 

配当性向が低い会社の場合、その会社の経営戦略や投資のスタイルを見極めて、今後何をして株主への還元を行おうとしているのか見抜くことを意識しましょう。

 

日本株における配当性向の平均

日本株の配当性向を見てみると、平均値は30%程度となっており、この数値を超えれば配当性向が高い銘柄と判断できます。

過去20年間の平均値が18%だったことを鑑みれば、株主の存在を重視し、高い配当金を出す企業が増加傾向にあることは間違いありません。

 

しかし、平均30%という配当性向は、世界の平均を見れば決して高いと言える数値ではありません。

米国株の配当性向平均は48%前後、欧州株に至っては配当性向の平均が61%という数値を叩き出しており、日本の2倍という配当性向を誇っています。

 

一方で、米国株や欧州株も過去20年の配当性向平均を現在の配当性向平均が上回っていますが、その伸び率は日本株ほどではありません。

日本株は近年で急激に配当性向を高めているという特徴を持っていますので、近い将来に欧米諸国並みの配当性向へと向上する可能性は十分にあります。

 

注意すべき配当性向の水準

配当性向は高いほど株主にとって有利になりますが、高すぎる配当性向を出している企業には警戒する必要があります。

たとえば、100%を超過する配当性向を用意している企業の場合、当期純利益以上の資金を株主に対して還元していることになります。

 

過去数年のいわば貯蓄に余裕がある状態ならよいのですが、それでなければ、無理をしながら配当を出している状況にあると考える必要があります。

企業にとって健全な状態ではありませんので、なぜ無理をしてまで配当を出し株主の注目をひこうとしているのか、その真意を探ることが重要です。

 

配当性向がマイナスな場合はさらに注意が必要

配当性向はプラスになるばかりではなく、マイナスとして計上されるケースがあることを知っておきましょう。

すなわち、当期純利益がマイナス、つまり赤字という状況にありながらも配当を出している場合、配当性向はマイナスとして計上されてしまうのです。

 

配当性向がマイナスな状況が数年にわたって続いているという場合には、利益がないのに株主には配当を出し続けるという極めて不安定な状況にあることがわかります。

極めて不安定な状況で長く経営を続けられるはずがありませんので、このような配当性向の企業からは倒産リスクを警戒しなければなりません。

 

同じように考える投資家が増えれば、株価にも悪影響が及ぶことになりますので、誤ったタイミングで買い注文を入れると、配当以上の含み損を出す恐れがあります。

 

配当性向を基に投資を成功させるコツ

少なくとも短期的に見れば、配当性向の向上は投資家にとってうれしいニュースですので、増配が決まったり、配当性向のアップが決まったりした銘柄には注目しましょう。

翌営業日の始値から大きく値上がりする可能性を秘めているため、デイトレードやスイングトレードでも利ザヤを稼げるかもしれません。

 

配当性向が高い銘柄を見つけたら、それだけで買いを入れるかどうかを判断するのではなく、過去の業績にも注目してみましょう。

純利益や売上高などが年々向上している銘柄であれば、企業の価値が高まるに連れて、配当性向も自ずと高まっていった健全な銘柄と判断できます。

 

一方で業績が横ばい、あるいは低迷しているにも関わらず、配当性向だけが高いというケースでは、将来的な株価低迷のリスクに警戒しなければなりません。

 

まとめ

配当性向は、企業が株主に対して支払っている配当金が高いか低いかを見比べる際に使える指標であり、高いほど株主に還元する意識の強い企業として評価できます。

しかし配当性向が高いからと言って必ずしも優れている訳ではなく、配当性向が高いと、会社を運転するための資金が減少し、新事業に投資しにくくなるというデメリットがあります。

 

配当性向を参考に買い注文を入れる銘柄を探す場合には、その他の指標にもしっかりと目を通して、今後も健全な経営を続けられる企業かどうかを慎重に判断しましょう。

-初心者

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