ファンダメンタルズ分析

投資信託のリスクとリターンを見極めよう!標準偏差から適格銘柄を選別

投資信託のリスクとリターンを見極めよう!標準偏差から適格銘柄を選別

今回は、投資信託への投資を検討する際のリスクとリターンを標準偏差(変動率)からどのようにもとめることができるのか、売買への応用まで解説していきたいと思います。

 

標準偏差とは

標準偏差とは、投資信託の過去平均リターンからどれだけ上下に変動するのかを表すため用いられる指標であり、この変動率を標準偏差といいます。

これを用いることで対象となるファンドの平均リターンにはどれだけの変動リスクがあるのかを求めることができ、複数のファンドから自分のリスク許容度に応じた銘柄を選別するための判断材料として用いることができるのです。

 

標準偏差の使い方

例えば、過去3年間の平均リターンが10.0%、標準偏差が15.0%の投資信託があったとします。これより、起こりうる確率ごとに標準偏差を用いて変動率を求めてみると以下のようになります。

 

68.3%の確率で想定される変動率

68.3%の確率で想定される変動率は、標準偏差±1倍で求めることができ、計算式は以下の通りです。

 

平均リターン ± 標準偏差 = 10.0% ± 15.0% = 25.0% ~‐5.0%

 

この場合、68.3%の確率で25.0%のリターンが得られる反面、5.0%の損失となる可能性があることが読み取れます。

この範囲内で収まる確率は一般的に低いため、通常はそれ以上の範囲での変動率を参考にします。

 

95.4%の確率で想定される変動率

95.4%の確率で想定される変動率は、標準偏差を±2倍にすることで求めることができます。

平均リターン ± 標準偏差 × 2 = 10.0% ± 15.0% × 2 = 40.0% ~‐20.0%

 

この場合、95.4%の確率でファンドのパフォーマンスが最高で40.0%のリターンを期待することができる一方、最悪20.0%の損失となる可能性があることを意味します。

一般的に用いられるのがこの標準偏差±2倍の範囲内であり、その確率も90%以上であるため確度が高くなっています。銘柄比較時にはこの数値範囲を参考にするようにしましょう。

 

99.7%の確率で起こりえる変動率

99.7%の確率で想定される変動率は、標準偏差を±3倍にすることで求めることができます。

平均リターン ± 標準偏差 = 10.0% ± (15.0%×3) = 55.0% ~‐35.0%

 

この場合、99.7%の確率でファンドのパフォーマンスが最高で55.0%のリターンを期待することができる一方、最悪35.0%の損失となる可能性があることを意味します。

この標準偏差±3倍の水準まで基準価格が上下する可能性は非常に稀であり、相場局面としても限定的となる場合がほとんどです。

 

その確率も、標準偏差±2倍と比較しても4.3%しか違わないので、基本的には標準偏差±2倍の水準を意識するようにしましょう。

これより、標準偏差を用いることでそれぞれの確率範囲内でどれだけのリスクとリターンが生じる可能性があるのかを算出することができ、自身のリスク許容度に応じたファンドを選択する指標とすることができるのです。

 

標準偏差は同じ商品性のもので比較する必要がある

投資信託には株型、REIT型、債券型等様々な種類が存在し、株型の投資信託程この標準偏差は高くなり、債券型のように金利で運用するような比較的リスクの低いファンド程標準偏差が低くなる傾向にあります。

ここで重要となるのが、標準偏差でファンドを比較する場合は、同じタイプ同士で比較する必要があるという点です。

 

株式投資において、株価が割安か割高であるかを異業種間で比較するのではなく同業他社間で行うのと同じ考えであり、もともと株型と債券型では債券型のリスクが低いのは当たり前であることから、全く異なる商品性のファンド間で比較してしまうと誤った投資判断をしてしまう可能性があるのです。

標準偏差を用いてリスクとリターンを比較する場合は、株型は株型同士で、債券型は債券型同士で変動確率を比較するようにしましょう。

 

標準偏差のデメリット

1、相場急落局面では参考にならない場合がある

前述では、標準偏差を用いた売買タイミングについて解説しましたが、これが応用できるのは比較的相場が安定している場合に限られます。
リーマンショックなどの相場急落局面では、テクニカル分析を無視し市場心理に左右されながら大きく水準を切り下げるので、この場合テクニカル分析などの確率論は全く当てにならなくなるので注意が必要です。

 

2、標準偏差のみに頼ると正しい投資判断ができない

標準偏差を用いた変動率の予測は数あるテクニカル分析の内の1つにすぎません。

この指標のみを頼って投資判断をすると勝率を高めることができないため、複数のテクニカル分析と併用し相場の方向性を総合的に判断するようにしましょう。

 

3、標準偏差のみで判断するとリスクを取るべき局面を見逃してしまう

標準偏差を用いて自身のリスク許容度に合った商品を選ぶことは非常に重要ですが、それだけにこだわってしまうと、リスクを取るべき好機をみすみす見逃してしまう可能性があります。

これを避けるためにも、投資信託に採用されているベンチマークの値動きを日ごろから確認しておく必要があり、リスクを負ってでも勝負すべき好機を逃さないよう常にアンテナを張り続けるようにしましょう。

 

標準偏差を用いた投資への応用

前述までは、標準偏差を用いることでファンドに内包するリスクとリターンを比較する手法について解説しました。

さらに、この標準偏差は変動リスクを見極めるだけではなく、予想変動範囲を求めることでファンドの売買タイミングを判断することができるのです。

 

投資対象がそれぞれどれだけ上下変動をする可能性があるのかを算出できれば、平均値から何%上下したタイミングで売買をすべきか逆算することが可能となります。

ここで用いるのが、先ほど解説した標準偏差の確率論です。標準偏差の±2倍の水準まで上下した場合が買われ過ぎ、売られ過ぎの想定ラインであり、通常はこのラインまで上下したら売買の投資判断を検討します。

 

また、稀に±3倍の水準まで変動するケースがあり、この場合は絶好の投資タイミングとなる可能性が高くなります。

しかし、ファンダメンタルズ的に相場が急変動した際に±3倍の水準まで変動する場合が多いので、場合によってはこの指標だけで売買の判断をするのが難しい場合があります。その際は、他のテクニカル分析を併用することでその確度を高めるようにしましょう。

 

まとめ

以上より、標準偏差を用いることで各投資信託にどれだけのリスクとリターンが内包しているのかを数値的に判断・比較することができ、銘柄選別時の指標として有効に用いることが可能となります。

しかし、比較する際は同一タイプの投資信託間ですることに注意する必要があります。

 

また、標準偏差を用いた売買タイミングを逆算する手法においても、ある程度の金融知識と相場観が必要となるため、投資戦略に用いる際は数あるテクニカル分析の用い方を正確に用いることができる知識を身に付けてからにした方がいいでしょう。

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