日本の証券取引所である東京証券取引所には、新興企業向けの市場が存在します。
その中でも、スタートアップに企業が特に集中する市場がジャスダック(JASDAQ)です。
ジャスダックの株価変動を追うことで、日本の新興市場の状態がある程度把握できます。
ジャスダックの市場変動を分析する際に重宝する指標が「ジャスダックインデックス」というものです。
今回は、日本を取り巻く株式市場の特徴に触れながら、ジャスダックインデックスの概要、利用方法、連動する投資商品をご紹介していきます。
この記事の目次
ジャスダックインデックスとは?
ジャスダックインデックスとは、ジャスダックの市場に上場する全銘柄を対象とした株価指数です。
別名「ジャスダック指数」「JQ指数」とも呼ばれています。
算出・公表は東京証券取引所が行っており、ネット上で誰でも無料で確認できます。
ジャスダックインデックスは、ジャスダック上場銘柄の株価をベースにした時価総額加重型の指数です。
1991年10月28日を基準日として、基準値を100として算出されます。
ジャスダックインデックスの特徴
ジャスダックには、今後成長が期待されるベンチャー企業、スタートアップ企業が集中して上場しています。
したがって、東証一部や二部などの銘柄に比べて、ジャスダックの銘柄の株価変動は激しい傾向にありますね。
これは「価格変動リスクが高い」ということで、ハイリスク・ハイリターンの特徴があります。
ジャスダックインデックスは、ジャスダックの株価変動の影響を直に受けるので、インデックスの変動も激しくなります。
ジャスダックとマザーズの違いについて
東京証券取引所の新興企業向け市場には、ジャスダックの他に「マザーズ」と呼ばれる市場も存在します。
両者の市場は、役割が似ているようで、実は上場している企業に違いがあります。
それぞれ特徴を確認していきましょう。
ジャスダックの特徴
ジャスダックの前身となった取引所は、もともと「店頭販売、店頭公開」を行っていた取引所でした。
これは、証券会社の店頭でのみ取引を行う形式で、市場に公開せずに限られたサークルの中で取引を行っていました。
店頭販売、店頭公開を行う企業は設立間もない企業や中小企業が大半で、その名残で、現在のジャスダックも新興企業向けの市場となっています。
ジャスダック証券取引所としてスタートしたのは2004年からです。
2010年に大阪証券取引所に吸収合併され、その後、大阪証券取引所の現物市場が東証と合併したことにより、ジャスダックは東証の管轄となりました。
ジャスダックは、スタンダード市場とグロース市場の2つに分かれています。
スタンダード市場は、ある程度企業規模が成長して、持続可能な成長が見込まれる企業が所属します。
グロース市場は、将来的に成長が見込まれる発展途上の企業が所属します。
スタンダード、グロース市場を合わせて計710銘柄が上場しています。
マザーズ市場の特徴
マザーズは、当時大阪証券取引所に所属していたナスダック・ジャパン(ジャスダックの前身組織)に対抗する形で、1999年に東京証券取引所に設置されました。
マザーズにも、ジャスダックと同様、新興企業やベンチャー企業が上場しています。
ただ、マザーズの場合、「将来的に東証一部へ上場する」ことが前提で、企業が上場するケースが多いです。
設立当初から、マザーズは東証に所属していたということもあり、マザーズ上場は東証一部上場へのステップアップとして捉えられています。
マザーズに上場している企業総数は、301銘柄です。
ジャスダックと比べると、市場規模が小さいですね。
このため、ジャスダックインデックスよりも、マザーズの指数の方が変動が激しい傾向にあります。
ジャスダック以上のハイリスク・ハイリターンの市場なため、投資初心者の方は、マザーズ関連のインデックス投資は避けた方が無難ですね。
ジャスダックインデックスに連動する投資商品
現在、ジャスダックインデックスに連動する投資商品は販売されていません。
その代わりに、ジャスダックの別のインデックスである「JASDAQ-TOP20指数」に連動する投資商品が販売されています。
JASDAQ-TOP20指数とは、ジャスダックに上場する普通株式全銘柄の中から、流動性、時価総額面で優れた20銘柄を選出して、それらの銘柄をもとに算出された株価指数です。
JASDAQ-TOP20指数は、株価修正平均型の株価指数です。
*株価修正平均型=増資や減資、株式分割、株式併合など特殊な株価変動の修正を行い、連続性を持たせた状態
それでは、JASDAQ-TOP20指数に連動する投資商品について個別に見ていきましょう。
JASDAQ TOP20上場投信
JASDAQ TOP20上場投信は、JASDAQ-TOP20指数に連動するETFです。
信託報酬は0.5%程で、10株単位で購入可能です。
2019年11月24日現在、1株あたりの価格は4,195円となっており、最低購入金額は41,950円となっています。
構成銘柄は以下の企業です。
ウエストホールディングス
クルーズ
UTグループ
夢真ホールディングス
ベクター
日本マクドナルドホールディングス
ブロッコリー
セリア
ユビキタスAIコーポレーション
田中化学研究所
ポラテクノ
セプテーニ・ホールディングス
アイサンテクノロジー
ハーモニック・ドライブ・システムズ
ユニバーサルエンターテインメント
ザインエレクトロニクス
メイコー
フェローテックホールディングス
ワークマン
シノケングループ
決算は年1回となっており、7月に行われます。
分配金利回りの水準は1%を切っている状態ですので、分配金で多額の利益を出すにはある程度まとまった資金が必要です。
分配金で稼ぐというよりも、ETFの価格変動によるキャピタルゲインを狙った方が、効率よく資金を回せますね。
この点、長期的に投資するというスタイルよりも、通常の小型株同様、不定期で保有して、タイミングが来たら売却するスタイルが本ETFに向いていると言えます。
JASDAQ-TOP20指数ファンド
JASDAQ-TOP20指数ファンドは、JASDAQ-TOP20指数に連動したインデックスファンドです。
信託報酬は年率0.76%ほどとなっています。
売買単位は1万円から1円単位です。
まとまった資金がなくても、購入が可能ですね。
決算日は年1回で、毎年12月22日(休日の場合は、翌営業日)です。
JASDAQ TOP20上場投信と同じ指数を対象としますが、こちらのファンドの方が信託報酬の年率が若干高いですね。
少額からでも投資できるので、コツコツと少額を積み立てて、チョキ的に運用するスタイルが向いています。
ETFと同様、本ファンドもネット証券で購入できます。
まだネット証券の口座をお持ちでない方は、これを機に開設してみてください。
オススメのネット証券は「ライブスター証券」もしくは「松井証券」です。
どちらの証券会社も、比較的安価な手数料で売買ができるので、初心者の方にはうってつけです。
申し込み終了まで数分ですので、時間をかけずに簡単に開設できますよ。
まとめ
ジャスダックインデックスは、新興市場のジャスダックに上場する全銘柄の株価を反映した指数です。
この指数を追えば、ジャスダックの盛況具合が簡単に把握できます。
2019年11月現在、ジャスダックインデックスに連動した投資商品は販売されていません。
その代わり、同じくジャスダックの指数であるJASDAQ TOP20指数に連動した商品が販売されています。
ネット証券から購入が可能なので、口座をお持ちでない方は、これを機にぜひ、講座開設をしてみてくださいね。